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Windows 10でAsepriteをビルドする

この記事はQiitaから移転されました。

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ピクセルアートエディタAseprite(いわゆるドット絵ツール)を使いたいけれどSteam経由でインストールしたくないという人のためのビルド手順です。

この記事は、開発環境やコマンドラインの扱いに不慣れな人、公式の英語の解説に抵抗感をもつ人に向けて書かれています。実際にはGitHubにあるINSTALL.mdに従うだけなので、日頃Qiitaサーフィンをしている人はこれで事足りるでしょう。

それなりに時間が掛かる作業なので余裕のあるときに行ってください。

必要なアプリケーションをインストールする

Asepriteのソースコードから実際に実行できるファイルを作るためには、いくつかの別のツールが必要です。どれも無料で入手できます。すでにインストール済みのものについては読み飛ばしてください。

CMake

CMakeインストーラcmake-3.x.x-win64-x64.msi(バージョン3.4以降)をダウンロードして実行します。インストールウィザードにPATHについて尋ねられたら「Add CMake to the system PATH for the current user」(あるいは「... for all users」)を選択してください。

Ninja

Ninjaninja-win.zipをダウンロードして展開します。中にはninja.exeというファイルがあるのでこれを適当なディレクトリにコピー&ペーストします。(私はC:\binに置いています。)そしてninja.exeを置いたディレクトリにPATHを通してください。

参考

Python

Pythonインストーラをダウンロードして実行します1。インストールウィザードでは「Add Python 3.x to PATH」にチェックを入れてください。

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Visual Studio Community 2017

Visual Studio Community 2017をダウンロードしてインストーラを実行します。オプションのパッケージを選択する画面が表示されたら「C++によるデスクトップ開発」にチェックを入れてください。(一覧を見るとWindows 10 SDKのようなものが含まれているはずです。)

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最も時間が掛かるアプリケーションです。休憩がてら気長に待ちましょう。:tea:

Asepriteのソースコードをダウンロードする

AsepriteAseprite-v1.x.x.x-Source.zipをダウンロードして適当なディレクトリに展開します2。(C:\asepriteに置くのが無難です。)展開したディレクトリにbuildというフォルダを作成してください。このフォルダを後の手順で使用します。

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Asepriteをビルドする

いよいよ最後の手順です。ここではコマンドプロンプト(いわゆる黒い画面)を使います。ひとつひとつ順番に実行していきましょう。

スタートメニューから「開発者コマンドプロンプト for VS 2017」を開いてください。コマンドプロンプトの黒い画面が現れます。

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下記のコマンドを入力して(コピー&ペーストでも大丈夫)エンターキーを押します。(C:\aseprite部分を適宜変更してください。)

cd C:\aseprite\build

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するとカーソルの左側に表示されているディレクトリがC:\aseprite\build>に変わります。それを確認したら、下記のコマンド3を実行してください。ビルドの準備が始まります。

cmake -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release -G Ninja ..

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再びカーソルとディレクトリ名が表示されたら、下記のコマンドを実行してください。

ninja aseprite

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ビルド中に警告が沢山流れますが臆せず待ちましょう。C:\aseprite\build\binaseprite.exeが入っていればビルド完了です。C:\aseprite\build\binの中身を適当な場所に置いて、aseprite.exeを実行すればAsepriteを起動できます。:tada:

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まとめ

ソースコードを自分でビルドすることで、Steamを通すことなくAsepriteをインストールできました。でももしAsepriteを気に入ったならば、aseprite.orgからSteamキーを購入して開発を応援しましょう。


  1. INSTALL.mdのDependenciesにPythonがありませんが、Pythonがない環境でビルドを試みたところ失敗したため、どうやら必要なようです。(参考 Asepriteを自分でコンパイル(ビルド)する方法 | hyperT'sブログ

  2. git cloneでも大丈夫。

  3. Releaseオプションがなくてもビルドに支障はありません。